世界遺産 エピダウロスにあるアスクレピオスの聖域
〇概要
・医療の神アスクレピオスの聖地
・ドーリア式のアスクレピオス神殿
・古代ギリシアの港湾都市
・巡礼者のための運動施設や劇場も残る
〇まとめ
ギリシア南部のエピダウロスは、医療の神アスクレピオス信仰の聖地。紀元前390年頃、建築家テオドロスによってドーリア式のアスクレピオス神殿が建てられた。その神殿には病で苦しむ人々が各地から巡礼し、やがて神殿の周囲には医療施設や運動施設、劇場や宿泊施設まで建つようになった。
〇+アルファ
〈アスクレピオス〉
・医療の神
・父は太陽神アポロン
・ゼウスの孫
・母はコロニス
・ケンタウロスのケイローンに育てられる
太陽神アポロンの子であり、全能の神ゼウスの孫にあたるアスクレピオス。母コロニスの死の直前にアポロンが胎児だったアスクレピオスを引き上げる。アポロンはアスクレピオスを半人半馬の賢者ケイローンに養育を委ねた。ケイローンは医術に優れたアスクレピオスに自分の医術を授けた。アスクレピオスは医術に長けるあまり死者を生き返らせてしまったことからゼウスの怒りに触れ、殺されたのちに夜空に輝くへびつかい座になった、とされている。
==カラスが黒い理由==
アポロンは信託に予言など仕事に追われ忙殺されていた。そのためカラスに妻コロニスをカラスに見張らせた。「コロニスが若い男を館に引き入れた」とカラスから聞いたアポロンはコロニスを矢で射貫いてしまう。しかし、コロニスに不倫の事実はありません。アポロンは憎しみの矛先をカラスに向けたためカラスは黒くなってしまったのです。
==アスクレピオスの杖==
アスクレピオスの杖には一匹の蛇が巻き付いており、蛇は現在も命のシンボルとなっている。それは、脱皮を繰り返しながら成長することから不滅の命と考えられていたことによる。