世界遺産

世界遺産検定1級持っています。1級の勉強のために作ったノートを順次公開していきます。検定の範囲だけでなく世界遺産の周辺知識も併せて載せていきます。

世界遺産 小笠原諸島

世界遺産 小笠原諸島
登録年 2011年

〇キーワード
適応放散
海洋島
世界遺産管理エリア
海洋性島弧
陸産貝類
維管束植物
オガサワラオオコウモリ
カタマイマイ
グリーンアノール

 
〇概要
 4800年前、太平洋プレートがフィリピン海プレートに沈み込むことによって誕生した海洋性島弧である小笠原諸島は、大陸とつながったことのない海洋島であるため、島にたどり着いた生物だけが独自に進化した特異な生態系が見られることが評価され、2011年、自然遺産に登録された。
 聟島列島父島列島母島列島火山列島西之島の5つの区域にある30以上の群島からなり面積は7,393haである。約100種の陸生貝類が確認されており、その90%以上が固有種である。また、維管束植物も高い固有率を誇る。周囲の海域には数多くの魚類やクジラ類、サンゴが生息している。小笠原諸島の生態系は、多くの固有種と並んで、東南・北東アジアに由来する植物種からなる植物群落など、さまざまな進化の過程を明確に映し出していため、登録基準(ⅸ)が認められている。
 
〇歴史
 1675年江戸幕府が父島と母島が日本領であることを宣言。
 1830年に白人が移住した。小笠原群島の英語名であるボニンアイランズ(Bonin Islands)は無人島の語源とされる。また、小笠原の海の鮮やかな藍色がボニンブルーと呼ばれる由縁にもなっている。
 1876年に国際的にも日本領であることが認められらた。
 これまで人間から受けた影響が極めて少なく、原生の自然が保たれている南硫黄島は「南硫黄島原生自然環境保全地域」に指定されている。
 
〇独自の生態系
 小笠原諸島では限られた面積の中で独自の進化が起き、数多くの固有種が見られる。カタツムリなどの陸産貝類は、生息する106種のうち100種が固有種(固有種率94%)。カタマイマイ属では、樹上性や地上性などの形態変化が認められ適応放散の典型が見られる。また、植物相は維管束植物が高い固有率を誇る一方、日本本土にみられるブナやシイは見られない。
 北太平洋に分布するアホウドリ類、カツオドリ類、アジサシ類など鳥類の宝庫である。沿岸には、ザトウクジラやマッコウクジラが生息する。哺乳類に関しては、在来種はオガサワラオオコウモリ一種のみである。
 こうした貴重な生態系を守るため、外来種であるグリーンアノールの駆除などが問題となっている。
 小笠原諸島には緩衝地帯(バッファーゾーン)はなく、東京湾まで続く「世界遺産管理エリア」を設定している。
 
〇筆者の一言
 これまで、述べたように小笠原諸島には、世界的に見てもここでしかみられない大変貴重な自然が残っている。種の多様性は人類全体にとっての財産であり、まさしく世界遺産の目的にかなっている。この自然を守るには、外来種の駆除、根絶が求められ、今後も絶え間ない努力が求められるだろうが、それだけの価値がある遺産である。
 また、小笠原諸島は伊豆諸島から続く第二列島線の一部であり、日本の防衛上大事なところでもある。小笠原諸島周辺は太平洋戦争で激戦が繰り広げられたところでもあるが、この地が再度戦争に巻き込まれるようなことは、全人類が避けるべきである。