世界遺産 古都奈良の文化財

古都奈良の文化財
登録年 1998年

〇概要
 8世紀に中国から伝えられた建築技術が、日本で独自に発展したことを示す。この時代に建てられた中国や朝鮮半島の建築物はほとんどが焼失しているため、この遺産の歴史的価値は極めて高いものとされる。
 この地には、平城京がおかれていた。当時、日本の首都であった平城京は唐の長安などをモデルとして造営され、そこに残る寺院など計8件の資産が登録されている。
これらの遺産は中央政権が確立した当時の政治、生活の状況を今に伝えるとともに、その時代の日本の文化、芸術、建築技術の高さを物語っている。

〇歴史
 708年、元明天皇平城京を造営。都の中央部には、平城宮があり、710年の遷都以降、政治の中心としての機能を担った。
 718年に元興寺薬師寺が、旧都の飛鳥藤原から移築された。その後、興福寺の建造が始まり、745年には、国家鎮護のため東大寺の建造が発願された。
 745年、唐から鑑真が日本に渡り、759年には唐招提寺の建設が始まる。春日大社の創建は、768年とされるが、756年の東大寺山堺四至図には、春日山西麓の場所が「神地」とされている。

〇構成資産
平城宮跡
東大寺
唐招提寺
元興寺
興福寺
薬師寺
春日大社
春日山原始林

〇まとめ
 平城京はわずか74年間という短い期間ではあったが、政治・経済の中心地であり、同時代に花開いた天平文化の中心地となったため、日本の歴史を物語る貴重な遺産である。大陸や朝鮮半島との文化交流、技術交流があったことを示すにとどまらず、日本の独自性を示す点も評価できる遺産となっている。また、この時代の木造建造物は、中国や朝鮮半島に残っていないことから世界的にも重要とされる。

(参考)
世界遺産検定事務局『世界遺産大辞典』
UNESCO〈http://whc.unesco.org/